WOOL
BLEND BOA
ボア素材には、冬の服ならではの素材感があります。毛足のある表情や、身体を包み込むようなボリューム。その見た目の強さは、秋冬のスタイリングに独特の存在感を与えます。
一方で、ボア素材は見た目の温もりが強く出る反面、実際の着用感は素材の密度や構造によって大きく変わります。毛足のボリュームがあっても、グランドが透けるような軽い素材では、風を通しやすく、見た目ほどの暖かさを感じにくいこともあります。
CINOHが使用しているのは、パイル部分にウールを40%含むウールブレンドのスライバーニット。
パイル部分に多くの空気を含むことで、しっかりとした膨らみと保温性を持たせた素材です。
ハイゲージで編み立てることで、ボアらしいボリュームを保ちながら、密度のある表情に仕上げています。ポリエステルによる適度なコシに加え、ウールには防縮加工を施した繊維を使用。
フェルト化を抑えることで、ボアらしい柔らかさや膨らみを保ちやすく、着たときの形も保ちやすい素材にしています。

ただ、この密度は暖かさのためだけに求めているわけではありません。密度が足りないボアにステッチを入れると、毛足が開き、その下にあるグランドのネットが見えやすくなります。
ステッチワークまで含めてデザインを成立させるためにも、ある程度の密度が必要です。

CINOHでは、ボアにも袖振りをつけ、コクーンシルエットを取り入れるなど、着たときに立体的な輪郭が残るようにしています。

その分、正直嵩張ります。収納や持ち運びだけを考えれば、もっとコンパクトな方が扱いやすい。でも、それを理由にボアの密度やシルエットを削ってしまうと、CINOHで作る意味がない。嵩張っても、洋服としての佇まいを優先しています。