LEATHER GOODS COLLECTION

「装いを支えてきた、最も原始的な素材のひとつ。」

革は、古くから人と共にあった素材です。
道具や武具、履き物、袋──その起源は石器時代にまで遡ります。

石器時代には、動物の恵みを活かし、革を生活の道具として形づくる技術が発展しはじめました。

紀元前のエジプトでは革製の財布が使われ、ギリシャやローマでは剣を吊るすベルトやサンダルなど、 生活と密接に結びついたレザーアイテムが日常を形づくっていました。

中世には、革は騎士の鎧や書物の装丁、修道士の装備などに用いられ、
単なる素材から“象徴を帯びた技術“へと進化していきます。

そして18世紀後半、産業革命を経て鞣し技術が進化すると、
革はさらに多くの人々にとって身近な存在へと変わっていきました。

日本でも同様に、革は武具として使われただけでなく、和太鼓や鼓といった伝統芸能の道具にも用いられてきました。目立たないながらも、生活や文化の中で静かに息づいてきた素材といえるでしょう。「ベルトのはじまりは、服よりも“道具“だった。」

なかでもベルトは、構造の要として最も原初的なレザーアイテムのひとつです。
剣や道具を吊るすため、衣服を固定するため、あるいは身体を守るために──。
装いの一部というより、生活を支える“道具“として存在していました。

やがてそれは、力や規律、身分を象徴するアイテムへと変化し、 近代には作業着の一部として、体に道具を留め、姿勢を保ち、 実用を支える存在へと進化していきます。

そして現代では、生活を支える一部から、ファッションを構成する要素としてベルトが位置づけられるようになりました。
私たちは無意識のうちに、ベルトを“締める“ことで装いを完成させています。
それはただ服を着るためではなく、自分の佇まいにひとつ、芯を通すような行為かもしれません。
また、ベルトを締めることによって自然と背筋が伸びたような感覚を体験したことがある人も多いのではないでしょうか。

「CINOHのレザーグッズに込めたこと」

CINOHがレザーグッズをつくるとき、重視することは“存在感“のバランスです。

装いに意志を宿しながらも、過剰には語らず、スタイリングの一部として自然に機能すること。
装飾的であることも、シンプルであることも、すべては装いの中で“意味“を持って初めて機能すると考えています。

そのうえで、主張しすぎず、存在感を曖昧にしない。
CINOHのレザーアイテムは、そんなバランスを持ったものを目指しています。