AUTUMN & WINTER 2026 SEASON THEME
"FROM BLACK"

黒は、ただの色ではないという視点から。

ピエール・スーラージュの作品について触れる中で、
黒をテーマにした作品だと思って見ていたものが、
実は光の在り方を問うものでもあることに興味を持った。
黒はキャンバスを覆うための色ではなく、
光を受け止め、反射し、角度によって表情を変える表面でもある。
今季のCINOHは、
その視点を服の中に置き換えることから始まった。

マットな質感。
わずかな艶。
起毛による陰影。
ナイロンやサテンの反射。
レザーの黒

素材が光を受けることで、
黒の見え方はひとつに留まらず、わずかに変化していく。
今季に差し込まれる色も、
強く主張するためのものではない。
黒の深さや輪郭を際立たせるための気配として配置されている。

光を含んだキャメル。
光を返す赤。
淡い光を残したブルー。
オートミールのような柔らかな色。

それらの色もまた、
スーラージュの作品に見られる、黒と光の関係性から着想を得ている。

深いブルーや、わずかにグリーンを含んだ色も、
光の沈み方によって、黒に近い奥行きを持つ。
服が動き、光が揺れることで、
色や表面は固定されたものではなくなる。
AW26 "FROM BLACK” は、
黒を起点に、素材や色が光をどう受け止めるかを探ったコレクションです。