特別な季節の高揚感は、心に刻む瞬間をいっそう鮮やかに照らし出します。
CINOHが目指すのは、その場を超え、人生の節目をともに刻む一着。
記念すべき日や、人と出会い心が動く瞬間に寄り添い、纏う人の佇まいを整える。
マニッシュなエッセンスとコンテンポラリーなデザインが交わることで生まれる端正なエレガンスは、華やぎの場を上品に引き立て、着る人自身の内側にある品格を映し出します。
CINOHのフォーマルコレクションは、思い出とともに長く心に残るスタイルを提案します。
Black Formal collectionを始めて数年。
この服をつくった原点を、もう一度言葉にしておきたいと思いました。
子どもの卒業式や入学式をきっかけに、フォーマルという装いについて考えるようになりました。
店頭で見かけるフォーマルの多くはどこかユニバーサルデザイン的で、ファッションとしての高揚感に欠けるように感じたのです。
「もっと自由に、もっと美しく、そして格好よく。
ファッションを愛する人が選べるフォーマルをつくりたい」——そう思ったことが出発点でした。
私の記憶ですが、1990年代の終わり頃にヨウジ・ヤマモト氏がウェディングを題材に発表したコレクションで、
「どんなに前衛的な人でも、結婚式になると急にコンサバになる。それを皮肉った。」
というようなことを確かおっしゃっていました。
その言葉は、フォーマルという装いがどれほど“形式“に縛られてきたかを示しているように思います。
しかし今の時代は、人生の節目にこそ自分らしさを纏い、生き様を表現しても良いのではないでしょうか。
フォーマルという言葉が、しばしば「伝統」や「形式」と結びつくなかで、CINOHはそこに“今”の感性を重ねたいと考えました。
体に寄り添う構築的なパターンと、静かな光を宿す素材。
過剰な装飾ではなく、輪郭の美しさで品格を表す。
現代の感性にふさわしいフォーマルを、私たちの解釈として提案します。
人生の節目を迎えるとき、自己主張ではなく気品を纏い、周囲に安心感を与える。
CINOH Black Formalは、そのために生まれました。